会計知識がゼロでもわかる「決算書活用術」
■損益分岐点分析ってなに?
1.損益分岐点分析とは!
損益分岐点分析とは、損益計算書を利用して収益性の分析をすることです。
○損益分岐点とは
売上高 − 費用 = 0
売上高と費用が等しく利益ゼロの点・損益ゼロの売上高を示す採算点のことをいいます。
この点を超えれば、もうけがでて、この売上高以下だと赤字になります。
5-2.直接原価計算(損益分岐点)指標経営管理
直接原価計算とは、製品原価を算定する際、変動費と固定費を区別して、変動費のみで、製品原価を計算する方式で、損益分岐点の基礎となるものです。
一般的な原価計算は全部工事原価計算方式が利用されております。
財務会計上この直接原価計算方式は、認められておりませんので、実務上は全部原価計算を利用しております。
〇 全部工事原価計算と直接工事原価計算との違い(建設業の例)
1 全部工事原価計算 とは?
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1.全部工事原価計算とは?
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科 目
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金 額
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備 考
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売上高
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50,000,000
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工事完成高
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▲売上原価
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▲30,000,000
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工事完成原価
(材料費・労務費・外注費・現場経費→ただし、この中に現場管理者の人件費(給与・賞与・法定福利費等)、諸経費が含まれております。
また事務所の地代・消耗品も入ります。これらは固定費として区分けします。)
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売上総利益
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20,000,000
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粗利と一般にいわれております。
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▲販売費及び一般管理費
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▲5,000,000
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ほとんど固定費になります。
(経費の中でたとえば光熱費など定額基本料は固定費でそれ以外は売上が増えるに従い比例すると考えた場合、厳密には変動費に近くまた、人件費の超過勤務手当は売上に比例するから変動費とかなると区分けが難しくなります。
したがって管理会計のなかなので固定費扱いでよいと考えます。)
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営業利益
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15,000,000
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6,000,000
▲9,000,000
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受取利息他 (固定費のマイナス)
支払利息他(固定費のプラス)
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経常利益
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12,000,.000
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2 直接原価計算(部分原価計算)
とは?
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2 直接原価計算(部分原価計算) とは?
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科 目
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金 額
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備 考
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売上高
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50,000,000
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工事完成高
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▲売上原価
↓
変動費
(売上高に応じて増減するものだけを算出する)
現場経費のうち現場管理者の人件費(給与・賞与・法定福利費等)諸経費また事務所の地代・消耗品等は売上の増減に関係なく出るので固定費に入ります。
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(▲30,000,000−8,000,000)
8,000,000は現場管理者の給与・賞与・法定福利費と事務用品費ほか固定費に該当するので除外しました。
▲22,000,000
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工事完成原価
(材料費・労務費・外注費・現場経費→ただし、この中に現場管理者の人件費(給与・賞与・法定福利費等)、諸経費が含まれております。
また事務所の地代・消耗品も入ります。これらは固定費として区分けします。)
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28,000,000
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粗利と一般にいわれております。
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(▲5,000,000 + ▲8,000,000)
売上原価の固定費分を加算しました。
▲13,000,000
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ほとんど固定費になります。
細かく厳密に区分けしないで固定費として扱います。
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営業利益
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15,000,000
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6,000,000
▲9,000,000
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受取利息他 (固定費のマイナス)
支払利息他(固定費のプラス)
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経常利益
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12,000,.000
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3.直接工事原価計算( 損益分岐点)指標を利用しての効果的な経営管理
指標算定式
1 損益分岐点売上高
損益分岐点とは、限界利益(建設業・製造業を除く業種は粗利と同じになります)から固定費を差し引くと0となる売上高です。
損益分岐点売上高
1
固定費K ÷ (1−A)=損益分岐点売上高
A変動費比率
= 変動費B ÷ 売上高 C (一定している)
損益分岐点売上高 − (変動費B + 固定費K)=
0
2 限界利益
実の
完成工事高 − 変動費 (完成工事高の増減に応じて比例する完成工事原価) = 限界利益 (この利益で固定費をまかないます)
3限界利益率 (一定している)
限界利益
÷ 実の完成工事高 × 100 %
4固定費 (完成工事高の増減に関係なく発生する費用・・人件費・一般管理経費等)
固定費
÷ 限界利益率 = 損益分岐点売上高 (限界利益と固定費は等しい)
5損益分岐点売上高
固定費 ÷ 限界利益率 =損益分岐点売上高
損益分岐点売上高とは、収益と費用が同じになる売上高です。=
利益=0
採算が合う状態になる境界ラインで、現状の売上高はこれをクリアーしていないと、赤字経営状態になってしまいます。
6損益分岐点比率
損益分岐点比率 が80%以内の場合、優良企業とみなします。
損益分岐点売上高 ÷ 実の売上高 ×
100 %
7 必要売上高
(固定費 + 目標利益)÷ 限界利益率
算定で一番難しいのは、固定費と変動費の区分けですが、建設業会計の場合完成工事原価のうち現場経費に含まれる現場管理者の人件費・賞与・法定福利費・事務用品費・消耗品費等売上高の増減に無関係で出るものは、除外して固定費に含みます。
また、販売費及び一般管理費(常設本社等在職者の人件費・諸経費)については固定費とみなして、計算いたします。
◆
経営安全率とは?
●この数字の20%以上を目標にして、堅実な優良企業を目指しましょう!
経常利益
÷ 限界利益 × 100 = 経営安全率
高ければ高いほどよい。
15%を超えていれば安全に近い状態です。
◆損益分岐点具体例について
管理会計(直接原価計算)
損益分岐点算定
売上高 200
変動費 ▲ 150 (売上原価180のうち現場管理者人件費30が含まれておりましたので除外して固定費に算入いたしました。)
限界利益 50
固定費 ▲ 40
経常利益 10
財務会計(全部原価計算)
売上高
200 (完成工事高)
売上原価 ▲ 180 (完成工事原価)
売上総利益
20 (完成工事総利益)
販売費及び一般管理費 ▲ 10
営業利益 10
営業外損益 0
経常利益 10
●優良企業のめやす
1の算定
損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 = 損益分岐点比率
損益分岐点比率 が80%以内の場合、優良企業とみなします。
例 固定費 450.000.000 限界利益率(粗利率)
15%目標 の会社の場合
450.000.000÷0.15=損益分岐点売上高は、3.000.000.000となります。
実際の売上高が 5.000.000.000のとき損益分岐点比率は60%となり、超優良会社であることがわかります。
◆コストダウンをするための方策
1 変動費を下げる。(完成工事原価=資材費・労務費・外注費・現場経費)
一般的にゼネコンの場合現場管理担当者の人件費負担額も現場経費となるためこちらに算入されているのでこちらから除外し固定費に加算することが求められる。
2 固定費を下げる。(販売費及び一般管理費)小規模ゼネコン・専門工事業者の場合、現場管理担当者の人件費負担額は、現場経費とならずこちらに算入されていることが多い。
3 社員・事務担当者・現場管理者を問わず多能工化をめざし、同じ仕事を長く続けさせないで、ローテーションを組み数年毎に人事の配置転換を実施する。その結果少人数で多くの異なった仕事がこなせるようになり、人件費等の固定費の削減につながる。
4 現場管理担当者の能力の均質化・・・担当者により実行予算管理能力、施工管理、品質管理能力に大きく差があると、得意先への信用力の低下、工事の品質管理に対する不安等が発生し工事原価の逓減はむろん高収益企業
を目指す事など到底かなわぬことである。
5 現場管理担当者に工事の段取り7分を徹底させるしくみづくりを教育しムリ・ムラ・ムダをなくす。いままでの工期遵守・安全管理のみでは、生き残りははかれないものと考える。
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■一般の損益計算書
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売上高
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総費用のうち
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A売上原価
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売上総利益
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総費用のうち
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経常利益
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■変動損益計算書(損益分岐点分析)
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売上高
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総費用のうち
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A変動費
(固定費に含まれる費用を除外する)
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限界利益
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総費用のうち
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B販売費及び一般管理費
営業外損益
(変動費から除外した固定費分加算する)
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経常利益
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■一般の損益計算書サンプル
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科目
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金額
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営業損益の部
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売上高 |
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| 売上原価 |
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| 売上総利益 |
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| 販売費および一般管理費 |
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| 営業利益 |
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営業外損益の部
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営業外収益 |
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| 営業外費用 |
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経常利益 |
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特別損益の部
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特別利益 |
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| 特別損失 |
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税引前当期純利益 |
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法人税・住民税および事業税 |
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法人税等調整額 |
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当期純利益 |
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