◆法定の建設業会計
■ 勘定科目の説明
第一章 建設業会計 基礎編5
11 不動産事業未収入金
建設業を主力業務としている会社が不動産事業も行なっている場合、販売用不動産の売上代金の未収入金を処理する勘定を不動産事業未収入金といいます。
12 前渡金
材料貯蔵品の購入等支払のうち未納入、または役務の未提供分、手付前渡分は、前渡金として処理します。
下請協力業者などへの工事代金の前払金は未成工事支出金もしくは仮払金で処理します。
土地・機械装置などの購入するときに支払われる前渡金は、前渡金勘定ではなく建設仮勘定として処理いたします。
13 短期貸付金
短期貸付金勘定で処理するものは、履行期、返済期日が1年以内に到来する、または到来すると認められる貸付金を記載します。
1 子会社 2 株主 3 役員 4 従業員 3 得意先4 下請・協力会社 5 関係会社などに対する貸付金です。
なお、短期貸付金の金額が資産の総額の1/100以下のときは、(その他流動資産)に含めて記載することができます。
1年を超えるものは、長期貸付金勘定となります。
なお、貸付をする場合は、金銭消費貸借契約書を作成し返済期日、支払利息などを定めておきます。
14 前払費用
この勘定には、未経過地代家賃、未経過保険料、未経過利息割引料等一定の契約に基き役務の提供を受けるとき次期以降に繰り延べられる支払済費用で決算期後1年以内に費用となるべきものを計上記載します。
このように、いまだ提供されていない役務に対して支払われた対価、たとえば、火災保険料や支払利息など来期以降の分まで支払った場合は、来期以降に負担(費用処理)すべき分については前払費用勘定で処理します。
ただし前払費用のうち、決算期後1年を越えるようなものは長期前払費用勘定で処理します。
前渡金勘定は、将来財貨用役の提供を受け、いったん材料貯蔵品勘定となり費用化されるのに対し、前払費用勘定で処理されるものは、いまだ提供されていない役務に対して支払われた対価ですが、一定の契約により継続して役務の提供を受け、次期以降、時の経過によって自動的に費用処理されるところに違いがあります。
前払費用も勘定の細目において前払利息、前払保険料などその内容別にわけて記載します。
15 未収収益
一定の契約に基ずいて継続的な役務の提供をする場合、たとえば、お金を貸したり土地や家屋を貸しているような場合、役務の提供がなされているかぎり、毎日継続して収益が発生していきます。
この中で当期の収益に属すると認められる未収額すなわち、その代金が入金されなくても収益として発生した期に計上しなければなりません。
こうした収益を記載する勘定が未収収益勘定です。
未収収益も勘定の細目において未収利息、未収地代家賃などその内容別に分けて記載処理しましょう。
16
未収入金・完成工事未収入金
受注した工事に関係する未収入金は完成工事未収入金として計上します。
決算期後1年以内に履行期が到来するとか、到来すると認められる有価証券、固定資産の売却等営業取引以外の取引に基いて発生した未収入金、また、期中の仮払消費税・仮受消費税の精算後還付を受ける消費税等の未収入金額等を計上記載します。
労災還付金なども未収入金勘定で処理します。
また、建物・機械などの固定資産や有価証券の売却代金等の未収入金は、営業外未収入金勘定で処理します。
未収収益勘定の場合は一定の契約により継続して役務の提供を行う場合に時の経過によって収益を計上する場合に使います。
未収入金はその細目において労災保険料還付未収入金、その他の未収入金などに分け、営業外未収入金は、固定資産売却未収入金、その他の営業外未収入金などに分けて処理するのがよいと思います。
17 短期保証金
この勘定には、入札の保証金や、契約の際、納める契約保証金を計上記載します。これら工事関連の保証金の支払いは、短期保証金勘定で処理します。
しかし、履行期が決算期後1年以上に及ぶ工事関係保証金以外のものは、投資等の部に計上記載します。
(保証金)
工事関係・・・・・・・・・・短期保証金
その他・・・・・・返済期限1年以内のもの・・・・・短期保証金
返済期限1年を超えるもの・・・・長期保証金
工事以外の保証金としては、借地借家保証金などがありますが、これらについては、保証金の返済が1年以内のものは、短期保証金、1年を超えるものは、長期保証金として処理します。
短期保証金は、入札保証金、契約保証金、その他の保証金などのように勘定の細目別に分けておくのが望ましいです。
18 立替金
1 得意先 2 下請 3 関係会社 4 社員 5 役員に対して一時的な立替払が生じる場合があります。
これらの立替払いは立替金勘定で処理します。
立替金は、短期間(数ヶ月)で返済されるものであり、長期に渡る貸付は、金銭消費貸借契約書を作って貸付金としての処理が求められます。
得意先、協力業者(下請)などに対する立替は、比較的長引くのはやむを得ないとしても、社員、役員等に対する社内立替があまり長引くのは好ましいことではなく、立替金はできるかぎり早期に精算されるべきであり、特に決算時点では、極力精算されなければなりません。
立替金はその細目において下記のようにわけておくとよいでしょう。
立替金 |社内立替金→社員・役員・その他
|社外立替金→得意先・協力業者(下請)・関係会社・その他
19 仮払金、仮払消費税
仮払金勘定は支払がなされた場合、本来属する適性な勘定やその金額が確定しない場合に使用される勘定です。
したがって、適性な勘定と金額が確定すればその勘定に振替計上されることになります。
仮払金勘定は、その内容が不明瞭な勘定ですので、期末までにはできるかぎり精算し本来の属すべき適性な勘定に振替なければなりません。
しかし、やむを得ず期末に至って、なお若干の仮払金勘定が残る場合があります。
〇 工事獲得費用の処理
建設業において、工事獲得のための費用は、仮払金として処理し、そうでないものは、販売費及び一般管理費として処理します。
そしてこの仮払金は、受注した場合、未成工事支出金勘定に、受注出来なかったときは、販売費及び一般管理費として計上記載することになります。
仮払金は、その細目において未入手工事仮払金、旅費仮払金、その他の仮払金等に分けておくのがよいと思います。
〇 仮払消費税
会計処理で税抜方式を取り入れた場合の課税仕入に関係する消費税等を計上記載します。
また、消費税の5%を税抜方式で仕訳する場合、材料貯蔵品等の仕入に対して支払った消費税は、
次のように仕訳処理しますので仮払消費税の区分も必要です。
材料貯蔵品 10.000 / 工事未払金 10.500
仮払消費税 500
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