◆法定の建設業会計
■ 勘定科目の説明
第一章 建設業会計 基礎編5
◆ 長期保証金
長期保証金として処理されるものには、借地借家敷金貸借保証金等で短期保証金以外の保証金があります。
◆ 投資不動産
投資の目的で所有する土地、建物、その他の不動産は投資不動産として処理します。
◆ その他投資等
その他投資等という勘定は、先に述べた勘定以外の投資の性質を有する勘定、例えば、長期預金、投資信託・ゴルフ会員権などを処理する勘定ですが、金額的に重要な項目は勘定を区分処理する必要があります。
また、逆に営業外受取手形、長期保証金などが僅少な場合は、その他投資等勘定で処理できます。
もちろん、こうした場合でも、勘定の内訳において内容がわかるように細目で区分しておく必要があります。
(建設業法施行規則に定められた勘定分類)
投資等
投資有価証券
| 子会社株式・子会社出資金 |
資産総額1/100以下であるときは投資有価証券 またはその他投資等に含めて記載できる |
| 子会社株式 |
いずれかがないときには、子会社株式または 子会社出資金として記載する |
| 子会社出資金 | |
| 長期貸付金 | |
| 破産債権・更生債権等 | |
| 長期前払費用 | |
| 長期繰延税金資産 | 税効果会計を採用していない場合は記載を要しない |
| その他投資等 |
資産総額1/100を超えるものについては当該資産を 明示する科目をもって記載する |
◆ 貸倒引当金
金銭債権(受取手形、完成工事未収入金、貸付金、未収入金など)は、相手方の資金状態によっては、時として回収できない場合が起こります。
回収できないことを(貸倒れ)といいます。金を貸したが相手が倒れた(倒産した)ことよりでた言葉です。
貸倒れということは、数多くの取引を行う会社にとってどうしても発生してしまうことなのです。
たとえば、何百件あるいは何千件に1件こうした不良債権が発生します。
不良債権は、それが回収不能となったとき貸倒損失として処理します。
しかし、1受注・・2・・製造・・3完成引渡・・4代金の回収という一連の取引において、損益は3の完成引渡の時点で計上することが会計上の原則となっています。そこで、この一連の取引の損益を計算するためには、将来の4代金回収時に生じる可能性のある貸倒見込額を当初に見積計上しておくことが必要となります。
このことを貸倒引当金といいます。
貸倒引当金は、金銭債権について取引不能のおそれがあるときにその取立のできない見込額を計上したものですから、対象となる金銭債権より控除すべき勘定です。このような引当金を評価性引当金といいます。
◆繰延資産について
〇 繰延資産とは、既に支払済のものであるが、支払に伴う効果が数期間に及ぶ場合に資産として計上されるものであり、商法上、8項目のみ計上できるとされております。
繰延資産は、将来の収益から改修しようとする費用の繰延額で交換価値はありません。
したがって、繰延資産は、できるかぎり早期に償却することが肝要です。
〇 創立費
会社設立費用、発起人の報酬および設立登記のための支出を繰延資産として計上した場合は、(創立費)の勘定になります。
創立費の償却は、会社設立後5年以内に毎決算期に均等額以上の償却処理が必要となります。
税法上は、随意償却となっておりますので、発生時に費用処理が可能です。
◆ 開業費
〇 開業準備のために支出した費用は、繰延資産計上の場合、開業費勘定になります。
開業費の償却は、開業後5年以内に毎期均等額以上の償却が必要です。
税法上は、随意償却となっておりますので、発生時の費用処理が可能となります。
◆ 新株発行費
新株を発行したとき、発行のために必要な費用を繰延資産として計上処理したときは、勘定は、(新株発行費)となります。
新株発行費は、新株発行後3年以内に毎期決算期に均等額以上の償却処理がもとめられます。
税法上は、随意償却ですので発生時に費用処理が可能です。
◆ 社債発行費
社債を発行したときは、発行のために要した費用を繰延資産として計上処理した場合(社債発行費)という勘定で処理します。
社債発行費勘定は、社債発行後3年以内に毎期均等額以上の償却が求められます。
また、3年以内に償却期限がくる場合は、その償還期限以内に毎期均等額以上の償却処理が求められます。
税法上は、随意償却ですので発生時に費用処理が可能です。
◆ 流動負債について
営業取引に基いて発生した金銭債務はすべて流動負債で営業取引以外の金銭債務についてのその他負債は1年以内に返済するものを計上記載いたします。
たとえば、未成工事受入金、工事未払金、支払手形、預り金等です。
これらは返済期限が1年を超えていても流動負債となります。
これとは別に、借入金、未払金、社債などの負債に関しては、1年以内のものは流動負債、1年を超えるものは固定負債となります。
その他の流動負債勘定
支払手形、割引手形、裏書手形、工事未払金、短期借入金、未払費用、未払法人等、繰延税金負債、未払事業所税、未払消費税、仮受金、従業員預り金、仮受消費税、未成工事受入金、前受収益、賞与引当金、その他流動負債等
◆ 支払手形、営業外支払手形について
支払手形勘定には、材料貯蔵品の購入代金、労務外注等の工事費、販売費及び一般管理費などの費用等営業取引に基いて発生した手形債務を計上記載いたします。
営業取引以外、固定資産購入時の手形払等は、営業外支払手形勘定での記載計上となります。
もし金額的に少ない場合、その他流動負債勘定で処理します。
◆ 割引手形、裏書手形について
割引手形勘定には決済期日がきていない未到来の受取手形の割引高を記載計上いたします。
それから、受取手形は工事未払金などの支払のために裏書して債権者へ譲渡することがあります。
このような裏書して渡した受取手形、裏書手形といいます。
割引手形や裏書手形は、支払期日にその受取手形が決済されなければ(不渡り)手形の遡及義務が生じ、手形に記載された支払い主に代わって支払わなければならなくなる可能性があります。
そのため、割引や裏書した手形は受取手形のマイナス勘定で負債ではありませんが、これらの金額は、偶発債務としての性質をもっていますから、必ず、貸借対照表に注記しなければなりません。
そのためには、割引をしたときは割引手形勘定で処理し、裏書したときは裏書手形勘定で処理して、決算のとき、これらの残高を受取手形勘定より控除するとともに貸借対照表に注記する処理が一般的にとられています。
◆ 工事未払金について
この勘定は、工事費用の未払額を記載計上いたします。
(工事原価に算入される材料貯蔵品の仕入代金も含む)
消費税5パーセントを税抜方式で仕訳する場合、工事未払金には消費税の仕入先への未払いが含まれます。
仕訳
材料貯蔵品 1000 / 工事未払金 1050
仮払消費税 50
工事未払金は、本来確定債務にかぎられますが、工事が完成し、完成工事高を計上しても、原価の一部が請求書など未着で確定してない場合があります。
このような時は、原価を適切な見積計算により計上しなければなりません。
これも工事未払金として含めます。
◆ 短期借入金
この勘定は、借入金で返済期日が1年以内にくる借入金を計上記載いあたします。
当座借越も短期借入金です。
◆ 未払金
未払金勘定では、固定資産等の購入代金の未払金、未払配当金、交際費等の販売費及び一般管理の未払金、返済期限が1年以内にくるものを計上記載いたします。
◆ 未払費用
一定の契約に従い継続的な役務の給付に基いて決算期までに提供された役務に対する未払額を計上記載いたします。
細目は、未払家賃、未払利息、未払給料等
◆ 未払法人税
法人税、住民税(道府県民税、市町村民税)及び事業税の未払金額、またこれらにかかる更生決定等による追徴税額の未払分を計上記載します。
◆ 繰延税金負債
税効果会計の適用により、負債として計上される金額のうち、流動資産に属する資産、流動負債に属する負債等で決算期後1年以内に取り崩されると認められるもの、現在は課税されていないが、将来課税対象となる法人税・住民税・事業税の未払額相当部分を計上記載いたします。
◆ 未払事業所税
この勘定には事業所税の納付未払額を記載計上いたします。
◆ 未払消費税
すべての取引を税抜方式で仕訳している場合、消費税相当分は、仮払消費税と仮受消費税を相殺し、納付額を未払消費税に振替計上記載します。
◆ 未成工事受入金
引渡しを完了していない工事、仕掛(未成)工事について、請負代金の一部を受け取った場合は、その受入高をこの勘定に記載計上いたします。
◆ 預り金
営業取引に基いて発生した預り金と、営業外取引に基いて、発生した預り金1年を超えて履行期日が到来するものは、固定負債の長期預り金となります。
◆ 前受収益
一定の契約に従い継続して役務の提供を行う場合、未だ提供してない役務に対する受入済の収益を記載計上いたします。
細目は、前受利息、前受賃貸料等。
◆ 賞与引当金
賞与は、支払われた期に計上するのではなく、労働の対価として、役務の提供を受けた期に計上しなければなりません。
決算期末において、支払時期が未到来であっても当期に帰属する部分を未払費用または賞与引当金として計上しなければなりません。
◆ 完成工事補償引当金
引渡しを完了した工事にかかわる瑕疵担保に対する引当額を計上記載いたします。
◆ 従業員預り金
労基法第18条の規定による従業員からの預かり金で社内預金等を記載計上いたします。
◆ 仮受金
この勘定は未整理の勘定であり、期末までにできるかぎり精算処理しなければなりませんが、決算期末において、なおその受入額の属すべき勘定または金額が確定しないでその内容を示す勘定に記載できないものを計上記載します。
◆ その他流動負債
以上のようなもの以外はその他流動負債勘定となりますが、金額的に重要な項目は勘定区分する必要があります。
また従業員預り金や仮受金などで少額の場合この勘定に計上記載できます。
◆ 固定負債
〇 固定負債は、営業取引以外の原因に基づいて発生した金銭債務及びその他の負債で、その履行期が1年を超えるものをいいます。
分割返済等で固定負債の1年以内の返済額は、流動負債の記載計上となります。
〇 社債
償還期限が決算期後1年を超えて到来するもの、または到来すると認められるものを計上記載します。ただし、償還期限が1年以内に到来するものは流動負債となります。
◆ 転換社債・新株引受権付社債
この勘定は、転換社債の発行に伴う確定債務を計上記載する勘定です。新株引受権付社債勘定は、新株引受権付社債を計上記載する勘定です。
◆ 長期借入金
借入金で履行期が1年を超えて到来するものを計上記載します。
したがって、分割返済などの場合で、1年以内の返済額は、短期借入金勘定に組替計上しなければなりません。
また借入金は、株主、役員、従業員または関係会社からの借入金にわけることが必要です。
◆ 長期繰延税金負債
税効果会計の適用により、負債として計上される金額のうち、繰延税金負債として記載されたもの以外のもの、現在は課税されていないが将来課税対象となる法人税・住民税及び事業税の未払額を計上記載するのが、この勘定です。
◆ 退職給付引当金・退職給与引当金
退職給付会計適用のとき、将来の退職給付のうち当期負担に属する金額をこの勘定に計上記載します。
◆ 長期未払金
長期未払金は、固定資産、の購入代金など営業取引以外の取引に基づいて発生した未払金で、履行期が決算期後1年を超えて到来するものを計上記載します。
◆ その他固定負債
上記の勘定科目に属さない項目で、長期従業員預り金等などがあります。
◆ 資本金勘定
この勘定は、資本金に組み入れられたものを計上記載します。
◆ 新株式払込金
払込期日が決算日に当る場合の新株式の払込金を計上記載します。
◆ 新株式申込証拠金
新株式の申込期日経過後の新株式申込証拠金を計上記載します。
◆ 法定準備金(利益準備金・資本準備金)
〇 法定準備金
法定準備金とは、商法によって積み立てることが要求されている準備金です。
利益準備金とは、配当するとき、一定の金額を会社に留保することを要求された利益剰余金です。
資本準備金は、株式の発行価額のうち資本に組み入れなかった額などが資本準備金となります。
〇 利益準備金
商法では、会社は、資本準備金とあわせて、資本金の4分の1に達するまで、毎期、決算期に現金による配当、役員賞与等の支払額の10分の1以上を利益準備金として積み立てなければならないこととされております。
◆ 剰余金または欠損金
〇 剰余金
資本剰余金
株主から得た資金のうち、会社が資本金に組み入れなかった部分である資本準備金とその他資本剰余金の合計のこと。たとえば
後者には、資本準備金減少差益、自己株式処分差益などがあります。
利益剰余金
貸借対照表の純資産の部を構成する1つの項目で、利益準備金とその他利益剰余金の合計額。その他利益剰余金には、各種積立金、繰越利益剰余金(当期純利益含む)などがあります。
繰越利益剰余金(以前の未処分利益に相当)
前期から繰り越された金額に、期中の増減および当期純利益などを合計した金額が期末における繰越利益剰余金とものとなります。
期中に以前に積み立てた積立金などを取り崩した場合は繰越利益剰余金に加算され、逆に新しく積立を行った場合は繰越利益剰余金から減算されます。
最終的に期末の繰越利益剰余金が配当などの原資になります。
〇 任意積立金
この勘定には、1 租税特別措置法の準備金、
2 特定の目的のために利益処分によって積み立てた目的積立金、
3 特に目的をもたない別途積立金があります。
任意積立金は、株主総会において積み立て目的を説明し、積み立てするときは、株主の承認を必要とします。
したがって、その目的にしたがって、取り崩すのはよいのですが、目的以外にその積立金を使用するときは、株主総会で承認されなければなりません。
◆ 損益計算書につきましては、第5号にて
説明いたしておりますので、ここでは省略させていただきます。
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| ●決算書を活用して会社に管理会計を取り入れたい方! ●決算書を活用して与信管理をしたい方! ●決算書を活用して経営分析(財務分析)をしたい方! ●決算書が読めるようになって経理実務に役立てたい方! ●決算書を活用して自分の会社の現在の状況を知りたい方! 簿記が全然わからない方・会計知識がまったくない方・パソコンを使えない方 このような方でも決算書の活用方法は短期間で習得可能です。 決算書の活用を短期間で学びたい方は → 「こちらへ」 |
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